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【まんかいメディカルクリニック】がリニューアル!日曜・祝日も診療&救急対応で三田市の地域医療をアップデート

三田市すずかけ台にある「田場医院」が、2025年4月1日から「まんかいメディカルクリニック」という名称に変わり、医療体制も新しくなりました。そして、4月21日からはいよいよ診療がスタートしています。

今回は、そのリニューアルの背景や新しい取り組みについて、理事長の田場隆介(たば りゅうすけ)先生と、診療科長の林卓郎(はやし たくろう)先生にお話をうかがってきました。

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目次

なぜ「田場医院」は生まれ変わったのか?背景にあった地域医療の現実

「まんかいメディカルクリニック」理事長の田場隆介(たば りゅうすけ)先生

── 今回、「田場医院」が「まんかいメディカルクリニック」に変わりましたが、リニューアルをしようと思ったきっかけについて教えていただけますか?

田場理事長
一番大きなきっかけは、「三田市民病院」の移転が計画されたことですね。地方の医療問題として、病院の統合など、医療の集約化がどんどん進んでいます。

また、医師や看護師などの医療スタッフも慢性的に不足していて、都市部に集中してしまっているのが現状です。

三田市はかつて、人口増加率が全国で10年連続1位を記録した時期もありましたよね。でもこれからは、総人口が減少していくと言われています。ただし、65歳以上の高齢者人口は逆に、今後増えていくと予測されている。

地方における医療問題は、三田市も決して例外ではありません。

── そう聞くと不安です。高齢化が進む中で、受け皿となる地域医療のニーズはますます高まりそうですね。

田場理事長
その通りです。だからこそ地域を支える病院として、できることから挑戦したいと思っています。

三田市の抱える課題として、連休中などに「三田市休日応急診療センター」が非常に混雑することや、小児救急に関しては、六甲山を越えて神戸市の病院まで行かないと診てもらえないケースも珍しくありません。

また、地域のクリニックの多くは午前診・午後診に分かれていて、土曜日は午前診のみ、そして日曜日は休診というのが一般的です。いつの間にか、それが「常識」になってしまっている。

個人的には、その「当たり前」を変えたい、という想いもありました。

「日曜は休み」の常識を変える。地域の安心を支える新しい診療体制

新しくなった待合室。開放的で明るく、清潔感がある。

── それで今回、新体制にされて地域医療の課題や常識を変えていこうと思われたのですね。具体的には、どのような点がこれまでと違うのでしょうか?

田場理事長まずは日曜と祝日、そして大型連休中も診療を行うようにしたことが、今までの診療体制と大きく異なる点ですね。従来の「日曜は休み」という常識を見直し、地域の方が安心して頼れる医療機関を目指しました。

さらに1階を増築して、内科・小児科・呼吸器内科をはじめ、発熱・救急・けがに対応する診察室を設けて、診療時間も大幅に拡大しています。

平日は9:00〜20:00(※火曜は休診)、土日祝も9:00〜17:00まで診療しています。
(※生活習慣病は平日9:00〜12:00と17:00〜19:00 土日祝9:00〜17:00)

CTやPCR検査が行える設備も新たに整えている

── 日曜、祝日や大型連休も診ていただけたり、午前診・午後診に分かれずに診療時間が長いのも安心ですね。

田場理事長そうですね、診療時間内であれば、子どもから大人まで年齢問わず、どなたでもご相談いただけます。緊急の症状から「ちょっと相談したい」といった内容まで、気軽に足を運んでいただけるクリニックにしたいと思っています。

「救急一筋25年」から地域医療へ。ベテラン救急医が選んだ新たなかたち

「まんかいメディカルクリニック」診療科長の林卓郎(はやし たくろう)先生

── 林先生は長年、大きな病院に勤務されていたと伺いましたが、なぜ地域医療へとキャリアを転換されたのでしょうか?

林先生これは自分の原点でもあるのですが、心のなかにはずっと「地域のかかりつけ医」への憧れがありました。

人生の後半は「町医者」として、これまで培ってきた経験や知識を地域のために活かしていきたい。そんな気持ちが強くなっていたタイミングで、「まんかいメディカルクリニック」とご縁をいただき、診療科長として関わらせていただくことになったんです。

── そして今回、林先生が長年携わってこられた「救急」の部門が新たに設けられ、対応されるようになったんですよね。救急専用の窓口などはあるのでしょうか?

林先生 いえ、救急だけの専門窓口があるわけではありませんが、診療時間内であれば、緊急性のある症状にも対応します。打撲、やけど、ケガなどの外傷にも対応できますし、必要があれば迅速に判断して対応できる体制を整えています。

── 日曜・祝日の診療や、診療時間の拡充によって、地域にとっても心強い存在になりますね。

林先生 はい。ただその反面、医療を提供する側のコンディションにも、十分配慮する必要があります。じつは診療時間の変更にあたって「この体制を実現するには、これだけの人員確保が絶対条件です」と、田場理事長には強くお願いしました。

田場理事長その林先生の意向を受けて、医師や看護師、受付スタッフなどの人員を大幅に増やしました。常勤医師3名に加え、非常勤の医師も複数体制で対応しています。

奈良県や三重県、遠くは熊本県から来てくれている医師もいるんですよ。

林先生「無理をせず、安全に診療を提供すること」。それが私たちの基本的なスタンスです。地域の中でできることは、できるだけ地域で完結していくことが大切だと思っています。

小児救急のすきまを埋めたい。困ったときに頼れる場所として

── 地域医療としての理想を追いつつも、救急の現場で培ってこられたご経験が、今回の診療体制づくりにしっかり活かされているのですね。

林先生 救急医として25年、2016年からは「兵庫県立こども病院」で勤務していました。 神戸で働いている時も、三田市から来られる患者さんは多くいらっしゃいましたよ。

六甲山を超えて診察に来てくださる意味や大変さは当時から感じていましたが、今回、こちらで働くようになってからは、より痛感するようになりましたね。

林先生小児救急に関しては、特にこの三田北神エリアでは、土日祝を含めて対応に困る方が多く、大きな課題のひとつとなっています。

当クリニックでは、診療時間内であれば確実に診ることができますので、困ったときにまず受診していただける場所になれればと考えています。

お家で診てもらえる安心感。まんかいメディカルクリニックの在宅医療

── 新しい体制についてお聞きしてきましたが、以前から取り組まれている「在宅医療」についても教えていただけますか?

田場理事長在宅医療では、通院が難しい方のご自宅に、医師や看護師などの医療スタッフが訪問し、診察や治療、健康相談などを行っています。

まずはご本人やご家族からお問い合わせをいただいた後、現在の状況を丁寧にお伺いします。仕組みについてご説明したうえで、ご理解・ご納得いただきながら、ご要望も踏まえて一人ひとりに合った診療計画を立てていきます。

その後は、月に1回や2回といったペースで、定期的にご自宅を訪問しています。

── 在宅医療の患者さまに対しても、急に具合が悪くなった時などには対応してくれるのですか?

田場理事長 はい、救急車を呼ぶほどではないけれど、急に状態が変化した場合は、可能な限り医師が訪問して対応しています。

今後、さらに高齢者人口が増えていきますし、在宅医療のニーズは確実に高まっていくでしょう。だからこそ在宅医療にも、力をいれていきたいと思っております。

治療としての運動と食事。健康をサポートする「さんだ生活習慣プログラム」

── 続いて「さんだ生活習慣プログラム」についても教えていただけますか?

田場理事長生活習慣を見直すことで、将来かかるかもしれない大きな病気を予防していこう。そんな思いから、2018年に厚生労働省指定の運動療法施設「まんかいFIT」を併設し、生活習慣病の治療に本格的に取り組み始めました。

現在では、約500人の方にご利用いただいてまして、この7年間で確かな手応えを感じている取り組みのひとつです。

2階にあるフィットネスジムでは、最新のマシンも導入されている

── このプログラムには、具体的にはどのような流れで参加できるのでしょうか?

田場理事長 まずは当クリニックの内科で初診を受けていただきます。医師の診断のもと、薬が必要な場合は処方し、さらに「心拍数はこれくらい、週にこれだけの運動が必要」というように「運動も処方」するんです

その運動処方に基づいて、健康運動指導士が個別に運動プログラムを作成します。また、管理栄養士と共に食事療法も行います。

── その人に合わせた運動プログラムや食事指導もしてくれるなんて…凄いです。

田場理事長従来の生活習慣病の治療は、投薬と簡単な指導を行うことが多く、具体的な方法までは提示されないことがほとんどです。その点、当院では食事も運動も治療としてとらえ、習慣として確立するよう伴走してサポートしていきます。

2階にはフィットネスジムを完備していますし、近くの公園を歩いたりして運動される方も多いですよ。土日には「有馬富士を登る」みたいなイベントも開催しています。

これらの日々の運動は専用アプリで管理され、診察の際にはどれだけ運動したかを、医師にすぐ共有される仕組みになっています。また、ジムなどの施設利用費は「医療費控除」の対象になるため、費用面でも安心して参加していただけると思いますよ。

子どもからお年寄りまで、生涯を通じた「新たな地域医療モデル」を目指して

── 子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層の方を診ておられますが、現在に至るまで長い歴史があるのですよね?

田場理事長祖父が昭和13年に「田場小児科医院」を開業したのが始まりで、父が継ぎ、現在は私が三代目として診療に携わっています。小児科と掲げながらも、父の時代からご高齢の方の診察も行うようになり、次第に年齢の垣根がなくなってきました。

また、小児科以外にも病児保育や発達支援に取り組んでおり、地域の幼稚園や小学校と連携しながら、子どもたちの集団生活へのステップを丁寧に支えています。

児童発達支援センター「ぞうさんの足音」。1対1から3対1、7対1と徐々に人数を増やし、園の実生活の中で練習していく

── 外来だけではない病院としてのあり方が、とても印象的で素晴らしいと思います。

田場理事長 はい。1階は一般外来(形成外科・皮膚科・美容皮膚科は2階)、2階は生活習慣改善や予防医療に取り組むスペース、3階はリハビリや病児保育、児童発達支援センターという構成になっています。

まんかいリハビリテーション「朝」(あした)。三田市民病院などから紹介された患者さんがリハビリを行っている

こうした多機能な医療の場を、クリニック全体で「一本の線」としてつないで、子どもから大人、そして高齢者へと変化するライフステージに、生涯にわたって寄り添い続けていくこと。

それが、私たち「まんかいメディカルクリニック」の目指す、地域医療のあり方と考えています。

さいごに

長年、三田市の地域医療を支えてきた「田場医院」さん。

このたび「まんかいメディカルクリニック」として新たな一歩を踏み出し、変わりゆく時代における多様な課題、地域のニーズに応えながら、新たな地域医療のかたちを目指して挑戦していく姿が、とても印象的でした。

誰もが気軽に相談できて、いざという時にも頼れる病院が近くにある。そんな存在があるだけで、わたしたちも安心して、日々を過ごすことができますよね。

「まんかいメディカルクリニック」の基本情報

基本情報
  • 住所📍: 〒669-1322 兵庫県三田市すずかけ台1丁目12番地
  • 診療時間⏰️:平日9:00〜20:00 土日祝9:00〜17:00 
    ※生活習慣病 平日9:00〜12:00/17:00〜19:00 土日祝9:00〜17:00 
    ※形成外科・皮膚科・美容皮膚科 月~土9:00〜13:00 月火木金15:00〜18:00
  • 休診日😪:火曜日(形成外科・皮膚科・美容皮膚科は火曜診療あり)
  • TEL📞:079-565-2525
       :050-5533-3470(予約専用)
    ※完全予約制ではありませんが、当日の状況により長くお待ちいただく可能性があるので事前のWEB予約のご利用をお願いしています。
  • 駐車場🅿️:あり(コスモス薬局の駐車場とも連携。いずれかに駐車可)
  • 最寄駅🚃:神戸電鉄「南ウッディタウン駅」から徒歩約12分
  • 公式HP🖥️:https://www.taba-shonika.jp/
  • WEB予約📱:https://mankind-medical-clinic.mdja.jp/

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この記事を書いた人

さんだびよりライターの河西です!
約20年三田に住んでいます。
学生時代から過ごしたこの街の魅力を地元愛とともに、たくさんお届けできればと思っています!

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